経費精算でインボイス番号をOCR読み取りすることは可能です。ただし、使っている経費精算システムやOCR機能が、領収書・請求書の登録番号に対応している場合に限られます。
また、OCRは画像上の文字を読み取る機能であり、その番号が実在するか、取引先の正式な登録番号か、適格請求書の要件を満たしているかまで自動で確定できるとは限りません。読み取り後に番号の形式や取引先情報を確認する必要があります。
インボイス番号のOCR読み取りでできること
領収書や請求書をスマートフォンなどで撮影し、画像に記載された「T」から始まる登録番号を文字データとして取り込めます。手入力の手間を減らせるため、経費申請時の入力項目として利用できます。
一般的には、次のような情報を同時に読み取ります。
- 取引先名
- 取引日
- 取引金額
- 消費税額
- 適格請求書発行事業者の登録番号
ただし、読み取れる項目はサービスごとに異なります。インボイス番号に対応していると明記されていない場合は、OCRで領収書全体を読み取れても、登録番号だけは手入力になることがあります。
インボイス番号はどのように表示されるか
適格請求書発行事業者の登録番号は、法人の場合、通常は「T」から始まる13桁の数字で表示されます。請求書や領収書には、たとえば「登録番号:T1234567890123」のように記載されます。
OCRでは、次のような文字を誤って読み取ることがあります。
- 数字の「0」とアルファベットの「O」
- 数字の「1」と「I」や「l」
- 印字の薄い数字や、かすれた文字
- 領収書の折れ目や背景に重なった文字
- 「T」と数字の間にある空白や記号
そのため、読み取り結果が「Tから始まる13桁」になっていても、入力内容が正しいとは限りません。原本の表示と照合してから申請することが大切です。
OCRで読み取った番号だけでインボイス対応を判断できる?
OCRで番号を読み取っただけでは、インボイス対応を確定できません。OCRは文字の入力を補助する機能であり、登録番号の有効性や請求書の記載内容を保証するものではないためです。
経費精算では、少なくとも次の点を確認します。
- 領収書や請求書に登録番号が記載されているか確認する。
- OCRで読み取った番号が、原本の番号と一致しているか照合する。
- 番号がTから始まる13桁の形式になっているか確認する。
- 取引先名、取引日、取引内容、税率ごとの金額や消費税額など、必要な記載を確認する。
- 社内の経理担当者が指定する方法で、仕入税額控除の対象区分を登録する。
登録番号の有効性を照会する機能が経費精算システムに備わっている場合でも、照会機能の対象範囲や反映時期はサービスによって異なります。自動照会がないシステムでは、番号の確認を別途行う必要があります。
経費精算システムでOCR読み取りできるか確認する方法
利用中のシステムがインボイス番号に対応しているかは、単に「OCR対応」と書かれているかだけでなく、読み取り対象の項目を確認します。
- システムの管理画面やサービス資料で、領収書・請求書のOCR項目を確認する。
- 「適格請求書発行事業者登録番号」「インボイス登録番号」「事業者登録番号」などの項目があるか確認する。
- 実際の領収書画像でテストし、番号が正しく取り込まれるか確認する。
- 読み取り後に、申請画面で番号を修正できるか確認する。
- 番号の形式チェックや、登録番号の照会機能があるか確認する。
サービス資料に「領収書OCR対応」とだけ記載されている場合、インボイス番号まで読み取れるとは限りません。導入前は、実際の帳票を使ったデモやトライアルで確認すると判断しやすくなります。
読み取りできないときの対処法
OCRでインボイス番号を読み取れない場合は、画像を撮り直すか、番号を原本から手入力します。読み取り機能がないことと、番号が記載されていないことは別の問題です。
- 領収書全体が入るように、明るい場所で撮影する
- 文字が小さくなりすぎない距離で撮影する
- 紙の折れや影が番号にかからないようにする
- 登録番号が記載された部分を正面から撮影する
- 読み取り後に、原本と画面上の番号を照合する
- 番号が見当たらない場合は、取引先に適格請求書の発行可否を確認する
登録番号が領収書に記載されていない場合、OCRの性能を上げても番号は読み取れません。別の請求書や適格簡易請求書が発行されていないか、取引先に確認してください。
経費精算でOCRを使うときの判断
インボイス番号のOCR読み取りは、対応機能があるシステムなら可能です。ただし、OCRは入力作業の省力化を目的としたもので、番号の正確性やインボイスの要件を自動的に保証するものではありません。
導入や運用では、「インボイス番号を読み取れるか」だけでなく、読み取り後に修正できるか、登録番号を照会できるか、経理担当者が確認できる履歴を残せるかまで確認してください。最初に行うことは、利用中の経費精算システムの項目一覧やトライアル画面で、登録番号の読み取り・修正・確認機能を確かめることです。







