経費精算にタイムスタンプを自動付与できるツールはある?

経費精算にタイムスタンプを自動付与できるツールはある?

経費精算にタイムスタンプを自動付与できるツールはあります。経費精算システムや電子帳簿保存法に対応した証憑管理システムには、領収書をアップロード・撮影した日時、申請日時、承認日時などを自動で記録する機能があります。

ただし、システムに表示される「登録日時」と、第三者機関が付与する「法令上のタイムスタンプ」は同じではありません。電子帳簿保存法への対応を目的にする場合は、タイムスタンプの付与方法だけでなく、訂正・削除の履歴、検索機能、入力期限なども確認が必要です。

経費精算で自動付与される日時には種類がある

経費精算ツールの日時記録は、主に次の3種類に分けられます。製品を比較するときは、どの日時を自動記録できるのかを確認してください。

日時の種類 記録されるタイミング 確認するポイント
登録日時 領収書を撮影・アップロードしたとき サーバー側の日時が自動保存されるか
申請日時 経費申請を送信したとき 申請者や申請内容と一緒に履歴が残るか
承認日時 上長や経理担当者が承認したとき 承認者、承認順、差し戻し履歴を確認できるか

これらは、誰がいつ処理したかを管理するためのシステム上の記録です。第三者機関によるタイムスタンプが必要かどうかは、利用する保存方法やシステムの法令対応によって異なります。

法令対応では「タイムスタンプがあるか」だけで判断しない

電子帳簿保存法に対応するために経費の領収書を電子保存する場合、タイムスタンプの有無だけで対応可否が決まるわけではありません。保存する書類の種類や保存方法に応じて、入力期間、訂正・削除履歴、検索性などの要件を確認する必要があります。

国税庁の電子帳簿保存法関係の案内では、電子取引データやスキャナ保存などについて、それぞれ保存要件が示されています。制度の適用条件や最新の要件は、導入前に国税庁の資料と利用予定のシステムの対応内容を照らし合わせて確認してください。

自動記録だけでは不十分になることがある

たとえば、領収書をアップロードした日時が自動で残っていても、画像の差し替えや削除が自由にでき、変更履歴も残らない場合は、電子保存に必要な管理機能を満たすとは限りません。

一方で、訂正・削除の履歴を自動的に記録する仕組みや、訂正・削除ができない仕組みを備えたシステムでは、タイムスタンプとは別の方法で要件に対応できる場合があります。最終的な可否は、保存するデータの種類とシステムの仕様を合わせて判断します。

自動付与に対応した経費精算ツールの選び方

ツールを選ぶときは、単に「タイムスタンプ対応」と書かれているかを見るのではなく、次の項目を具体的に確認します。

  • 領収書の撮影・アップロード日時を自動記録できるか
  • 申請日時、承認日時、差し戻し日時を履歴で確認できるか
  • 登録後の訂正・削除の履歴が残るか
  • 領収書の画像と経費申請の情報を関連付けて保存できるか
  • 取引日、金額、取引先などで検索できるか
  • 領収書の画像を後から差し替えた場合に履歴が残るか
  • 電子帳簿保存法のどの保存要件に対応しているか
  • タイムスタンプが自社サーバーの日時なのか、第三者機関によるものなのか
  • 利用料金とは別に、タイムスタンプや証憑保管の追加料金がかかるか

特に注意したいのは、「タイムスタンプ自動付与」という表現の意味です。自社システムのサーバー時刻を保存する機能を指す場合もあれば、外部の認定事業者によるタイムスタンプを指す場合もあります。

導入前に確認する手順

経費精算のタイムスタンプを法令対応や社内統制に利用する場合は、次の順番で確認すると判断しやすくなります。

  1. 保存する書類を決める。紙の領収書をスキャンして保存するのか、メールやウェブサイトで受け取った電子領収書を保存するのかを整理します。
  2. 必要な保存要件を確認する。対象となる書類の保存方法に応じて、入力期限、検索機能、訂正・削除履歴などの要件を確認します。
  3. 候補ツールの仕様を確認する。「日時が記録される」だけでなく、タイムスタンプの発行元、付与のタイミング、履歴の保存範囲を確認します。
  4. 実際の操作を試す。領収書を登録し、申請、承認、差し戻し、訂正、削除を行ったときに、日時と操作履歴が残るかを確認します。
  5. 保存後の検索と出力を確認する。取引日や金額などで対象の領収書を検索でき、必要な履歴や画像を確認できるかを試します。
  6. 社内ルールを決める。領収書を登録する期限、差し戻し時の修正方法、削除権限、退職者のデータ管理などを定めます。

経費精算ツールとタイムスタンプ専用サービスの違い

経費精算を効率化したいのか、電子データの保存要件を補いたいのかによって、向いているツールが変わります。

種類 主な用途 向いているケース
経費精算システム 領収書の登録、申請、承認、会計連携 申請から承認までの処理をまとめたい場合
証憑管理システム 領収書や請求書の保管、検索、履歴管理 電子書類の保存と検索を重視する場合
タイムスタンプサービス 電子データが特定時点に存在したことの証明 既存システムにタイムスタンプ機能を追加したい場合

経費精算システムにタイムスタンプ機能が含まれていても、会計ソフトとの連携や承認ワークフローまで必要なら、対応範囲を別に確認する必要があります。反対に、すでに経費精算の仕組みがある場合は、証憑管理やタイムスタンプの機能だけを追加する方法もあります。

「自動付与できるツール」を選ぶときの注意点

ツールの導入前に、次の点を販売元へ具体的に質問すると、機能の誤解を防げます。

  • タイムスタンプは領収書の登録時に自動で付与されるのか
  • 付与される日時は、撮影日時、アップロード日時、申請日時のどれか
  • 第三者機関によるタイムスタンプなのか、システム内の登録日時なのか
  • 登録後に画像や取引情報を変更した場合、変更前の内容と履歴が残るのか
  • 電子帳簿保存法のどの要件を、どの機能で満たす設計なのか
  • 無料プランや一部の料金プランでも同じ機能を使えるのか
  • 契約終了後も領収書と操作履歴を閲覧・出力できるのか

「電子帳簿保存法対応」という表示だけでは、すべての保存要件を自社の運用で満たせるとは限りません。対象書類、登録期限、権限設定、データの訂正方法まで含めて確認することが大切です。

まとめ

経費精算にタイムスタンプや登録日時を自動付与できるツールはあります。ただし、システム上の登録日時と、法令上のタイムスタンプは別の場合があるため、名称だけで判断することはできません。

まずは保存する領収書の種類と目的を整理し、候補ツールについて「いつ、どのデータに、どの方式で日時を付与するのか」「訂正・削除履歴や検索機能を備えているか」を確認してください。