経費精算システムはMicrosoft Entra IDとSSO連携できる?

経費精算システムはMicrosoft Entra IDとSSO連携できる?

経費精算システムは、製品側がSAML 2.0またはOpenID Connect(OIDC)に対応していれば、Microsoft Entra IDとSSO連携できる可能性があります。ただし、Microsoft Entra IDに対応しているだけでは不十分で、経費精算システム側の対応方式、契約プラン、管理者設定を確認する必要があります。

経費精算システムとMicrosoft Entra IDはSSO連携できる?

条件を満たせば連携できます。一般的には、Microsoft Entra IDを認証基盤、経費精算システムを接続先のアプリケーションとして登録します。

代表的な連携方式は次の2つです。

連携方式 概要 確認する点
SAML 2.0 企業向けのWebサービスで広く使われるSSO方式 経費精算システムがSAMLのサービスプロバイダーとして対応しているか
OpenID Connect(OIDC) OAuth 2.0を基盤にした認証方式 経費精算システムがOIDCに対応しているか

経費精算システムによって対応方式は異なります。特に「SSO対応」とだけ記載されている場合は、SAML 2.0、OIDC、独自方式のどれを指すのかを確認してください。

連携できるか判断するための確認項目

まず、経費精算システムの公式資料や管理画面で、Microsoft Entra IDとの連携条件を確認します。次の項目がそろっていれば、SSO連携を進められる可能性があります。

  • 経費精算システムがSAML 2.0またはOIDCに対応している
  • Microsoft Entra ID側でエンタープライズアプリケーションを登録できる
  • 対象の契約プランにSSO機能が含まれている
  • 経費精算システムのログインIDと、Entra IDのユーザー情報を一致させられる
  • 管理者がSSO設定やユーザー割り当てを行える
  • 必要に応じて、社内ネットワークや多要素認証の条件を調整できる

料金プランや利用条件は製品ごとに異なります。SSO機能が上位プラン限定の場合もあるため、対応方式だけでなく、現在の契約で利用できるかを確認してください。

Microsoft Entra IDとのSSO連携でできること

SSO連携を設定すると、利用者はMicrosoft Entra IDで認証した状態から、経費精算システムへ移動して利用できます。経費精算システム専用のパスワードを別に管理する負担を減らせる点が主な利点です。

また、Microsoft Entra ID側で多要素認証や条件付きアクセスを設定している場合、経費精算システムへのログインにも社内の認証ルールを適用できることがあります。ただし、どの認証条件を適用できるかは、連携方式やサービスの仕様によって変わります。

SSOとユーザー自動登録は別の機能

SSO連携ができても、ユーザーの自動登録や削除まで自動化できるとは限りません。SSOは主にログイン認証の仕組みであり、ユーザー情報の作成・更新・停止とは別に扱われます。

入社・異動・退職に伴うアカウント管理まで自動化したい場合は、SCIMなどのプロビジョニング機能に経費精算システムが対応しているかを確認します。

機能 主な役割
SSO Entra IDの認証情報を使って経費精算システムへログインする
プロビジョニング ユーザーの作成、更新、停止などを連携する
ロール・権限連携 部門や役職などに応じて、経費精算システムの権限を設定する

経費精算システムのアカウントを事前に作成する必要がある場合や、SSO後に初回登録が必要な場合もあります。SSOだけでアカウント管理全体が完了すると考えないことが重要です。

一般的な設定手順

具体的な画面や項目名は製品ごとに異なりますが、SAMLを使う場合は次の流れで設定します。

  1. 経費精算システムの管理画面で、SAMLまたはSSO設定に必要な情報を確認する。
  2. Microsoft Entra IDで、経費精算システム用のエンタープライズアプリケーションを登録する。
  3. 経費精算システムから指定されたサインオンURL、識別子、返信URLなどをEntra IDに設定する。
  4. Entra IDの識別子、ログインURL、証明書など、経費精算システム側が求める情報を登録する。
  5. テスト対象のユーザーまたはグループを、Entra IDのアプリケーションに割り当てる。
  6. 通常のログイン画面、Microsoft 365のアプリ一覧、または指定されたSSO URLからテストする。
  7. ログイン後に正しいユーザーへ紐づくこと、経費精算の権限が正しく反映されることを確認する。

設定前に、通常のIDとパスワードによるログイン方法を残しておくと、SSO設定に問題が起きた場合の切り分けに役立ちます。本番ユーザー全体へ適用する前に、管理者や少人数のテストユーザーで確認してください。

ログインできないときに確認する点

SSO連携後にログインできない場合は、次の項目を順番に確認します。

  • Entra ID側で対象ユーザーまたはグループがアプリに割り当てられているか
  • Entra IDのユーザーIDと経費精算システムのログインIDが一致しているか
  • 返信URL、識別子、サインオンURLの入力に誤りがないか
  • SAML証明書の有効期限が切れていないか
  • 経費精算システム側でSSOログインが有効になっているか
  • ユーザーに必要な経費精算システムの権限が付与されているか
  • 多要素認証や条件付きアクセスによってアクセスが拒否されていないか
  • 本番環境とテスト環境の接続先を取り違えていないか

エラーの原因を特定するには、Entra IDのサインインログと、経費精算システム側の認証ログを照合します。エラーコードや日時、対象ユーザーを控えてから、サービス提供元へ問い合わせると確認しやすくなります。

導入前にサービス提供元へ聞く質問

候補の経費精算システムを比較する際は、次の点を問い合わせると判断しやすくなります。

  • Microsoft Entra IDとのSSOに対応しているか
  • SAML 2.0とOIDCのどちらに対応しているか
  • SSO機能を利用できる契約プランはどれか
  • ユーザーの自動登録・停止に対応しているか
  • SCIMなどのプロビジョニングに対応しているか
  • 部門や役職などの属性を権限設定に利用できるか
  • ログイン失敗時に管理者が確認できるログがあるか
  • 既存ユーザーのIDをどのように紐づけるか
  • SSO設定の変更や証明書更新を誰が行うか

特に確認したいのは、「SSO対応」という表示が、Entra IDとの接続を意味するのか、特定のIDaaSや別の認証サービスだけを意味するのかです。製品資料にMicrosoft Entra IDの記載がない場合は、対応方式と必要な設定情報をサービス提供元へ確認してください。

結論として、経費精算システムがSAML 2.0またはOIDCに対応し、契約プランやユーザー設定の条件を満たせば、Microsoft Entra IDとのSSO連携は可能です。まずは候補製品のSSO対応方式、利用プラン、ユーザー自動管理の対応状況を確認し、少人数のテスト環境でログインと権限を検証してください。